動画労組ニュースNo,15

2014年6月25日発行

シリーズ・東映アニメの派遣法違反・その⑧

東映アニメは、労基法違反だらけ!

誇りを持って働けるように改善せよ!!

東映アニメに働くみなさん、おはようございます。

サッカーワールドカップ開幕とともに、安倍首相・自民党政府がいつの間にか次々と危ない法案を通そうとしています。動画労組は、ニュース発行が若干遅れていますが、サッカー文化を楽しみながら組合の主張を続けていきたいと思います。今回は、売上300億円、経常利益43億円、過去10年間の平均当期利益23億円の会社にあるまじき法律違反の数々を指摘するとともに、コンプライアンスを掲げていながらそれに反する労務の姿勢を批判していきます。

東映アニメの従業員であれば、取締役の会社役員、部課長、平社員、契約社員、派遣労働者、フリー労働者、アウトプロからの出向者など、その雇用形態は様々です。しかし、会社が明確に労働基準法を適用しているのは、いろいろな条件から平社員だけです。しかも、その平社員さえも実は労基法に反した働かせ方をしているのです。

昨年、中野オフィスについては、新宿労基署が「36協定」を結ぶように指導しました。36協定は、雇用している労働者を一日8時間を超えて働かせる場合は、必ず会社が労働者代表と結ばなければならない労基法36条で決められた約束事です。組合は早期の協定化を要求していましたが、会社はこれを聞き入れず、違法状態を放置していました。この間、労災問題や労働者からの申告で、労基署も見過ごすわけにいかず、これまでの勧告ではない強い姿勢に出たようです。会社は、中野オフィスでの協定化に取り組みました。しかし、協定化においては、部課長・契約者も含む労働者全体の代表と結ばなければならないのですが、結局、平社員のみを対象にし、代表者の選任も苦慮するという体たらくでした。ついでに言えば、その36協定を違反し、協定を超える残業をさせています(時間外一ヶ月45時間まで、特別条項で一ヶ月60時間・年間630時間まで)。さらに大泉スタジオについては、長時間労働が横行しているのにもかかわらず、磯辺部長は「36協定を結ぶつもりはない」と脱法行為を認める発言をしています。

中野オフィスの従業員の間で言われる「契約社員」は、現在、労使間で話し合われている段階の「契約社員制度」で、「契約社員」という形態の労働者は東映アニメには一人もいないのが実態です。皆さんは、「契約社員」の就業規則を見たことはあるのでしょうか? ひょっとすると「契約書」に書いてあることが就業規則と勘違いしていないでしょうか? ちなみに世間で言う「契約社員」は労働者であり、就業規則があり時間外手当も労災保険・雇用保険も適応されるのが常識です。改めて「契約社員」だと思っている人たちは、自分の契約書を見直してください。契約書は委受託の契約書となっており、しっかり収入印紙が貼られています。労働者としての雇用契約書なら、収入印紙は必要ありません。つまり、会社と結んでいる契約書は、社会的に見れば請負でフリーの一人親方・一事業主の契約として「偽装請負」の形にさせているのです。とは言え、契約者には厚生年金がつき給与所得となっており「実態は労働者」です。契約者は、組合や従業員の運動で労働条件を改善し、現在の雇用形態となっているのです。(参考・社員は雇用の定めのない労働者なので契約書はもともとありません。就業規則に60才定年が決められています。)

昨年、東映アニメは、派遣切りを行いました。そのきっかけは磯辺部長の改正・労働契約法の誤解からでした。その労働契約法は、5年間継続して働いた労働者を無期雇用として直接雇用しなければならないとしています。しかし、会社は、「契約社員」と呼んでいる人たちを法改正5年後の2018年に、はたしてどういう手続きをするつもりなのでしょうか? 場合によっては、派遣の4人と同じ扱いにするのでしょうか? 労基署から言われて対応するのではなく、世間から「ブラック企業」と批判される前に、コンプライアンスを遵守し企業としての責任を自覚するべきです。

動画労組は、もともと社員・契約者の労働組合が別々に組織化されました。しかし、早期に組合を統一して労働者の要求をそれぞれ支え合いながら労働条件を改善させてきました。時には会社の経営も批判し、まちがった政策には敢然と闘ってきました。今後も「派遣切り」「製作部の人員補充」など、労働条件改善に取り組んでいきます。

働きやすい職場を取り戻し、ブラック企業化を食い止めよう!


集団的自衛権行使の容認は断じて許さない

全東映労連は、6月12日に発表された、映演労連の「集団的自衛権の行使容認は断じて許さない─映演労連6・12声明─」を支持し、各政党、各界に対し以下の要請文を送付することを、昨日行われた全東映中央闘争委員会で確認しました。

要 請

            殿

私たちは映演労連が612日に発表した声明を支持します。

集団的自衛権の行使を断じて容認しないよう強く要請いたします。

                            2014年6月  日

  住 所                  

単組名                  .

代表者名                 .                  

集団的自衛権の行使容認は断じて許さない

──映演労連6・12声明──

安倍晋三首相は集団的自衛権の行使容認を閣議決定しようと躍起になっている。

発足当初から憲法改悪を声高に主張し、手を変え、品を変え憲法破壊への暴走を加速させ続けてきた安倍政権だが、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が5月15日にとりまとめた「報告書」を受け、歴代政府によって確立した憲法解釈を変更して、集団的自衛権の行使容認を閣議決定しようとしているのである。

集団的自衛権の行使とは、日本が攻撃されてもいないのに自衛隊員が武力攻撃に参加させられ、自らの生命を危険に曝しながら、外国人の生命を奪うことに他ならない。戦争はすべて「集団的自衛権」の名のもとに行われている。

一つの内閣が、正当な手続き、国民的な議論を経ることなく、首相の私的諮問機関からの報告のみをお墨付きとして、閣議決定によって憲法解釈を変更することは、民主主義の破壊に他ならない。そもそも憲法99条で憲法尊重擁護義務を課されている国務大臣によるこのような策動は、立憲主義の否定である。国民の主権を踏みにじるこのような手法で、国の基本法である憲法が骨抜きにされれば、この国はもはや法治国家の体をなさなくなってしまう。

「国民のいのちを守り抜くため」と首相は連呼し、15の活動事例を挙げて国民を言いくるめようとしているが、そのすべてが現実性が極めて乏しいか、個別的自衛権や警察権行使で対応可能な事例ばかりである。一方メディアは「限定行使容認」ありきの論調で、個別事例についての報道に終始している。

しかし国会審議の中では、「武力行使してはならない」「戦闘地域へ行ってはならない」という憲法9条の歯止めを取り払おうとする政府の意図も明らかになりつつある。もし集団的自衛権行使が容認されれば、自衛隊が米国や多国籍企業の傭兵となり、米軍の盾となって武力を行使し、殺し合しあうことが可能になる。このことは独り自衛隊のみならず、日本国民の平和的生存権が蹂躙、剥奪されることに直結する。

その上安倍政権は、「積極的平和主義」なる詭弁を弄して日本国憲法の基本理念である恒久的平和主義を毀損しようとしている。

私たち映演労連はこの国の主権者たる国民を愚弄する暴挙を、平和と民主主義を圧殺する蛮行を断じて許さない。

私たち映演労連は、解釈の変更によって憲法を破壊し、日本を戦争する国にしてしまう集団的自衛権行使容認に断固反対し、これを阻止するためのたたかいを広範な共同により構築し、全力を尽くしてたたかうことを誓うものである。

2014年6月12日

映画演劇労働組合連合会(映演労連)


東映動画労組ニュースNo,14

シリーズ・東映アニメの派遣法違反・その⑦    現経営陣・部長だけの舵取りで、この会社の将来は大丈夫なのか?

東映アニメに働くみなさん、おはようございます。今回は、派遣切りとともにこの14春闘で動画労組が会社と交渉してきた内容をいくつか報告する中で、会社の経営陣・部長の無責任な対応が、東映アニメの将来に不安を投げかけている現状をお伝えします。

動画労組は、先週の6月9日に春闘の賃上げ・生補金※(一時金&ボーナス)について、妥結の内示をしました。この間の団体交渉の報告を見れば、組合がこの回答で春闘を終わらせることに矛盾を感じる方がいるかもしれません。しかし、労働組合は厳しい生活を抱えている労働者の集まりであり、妥結しなければ賃上げ・ボーナスの支給は先送りにされ、ローンの返済や子供の教育費などを予定している組合員に大きな負担をかけてしまいます。会社は、生補金の支給日を6月30日とし、その日に支給するためには6月9日までに会社の低い賃上げ回答をのまなければ、組合員の生補金の支給を遅らせるという条件をつけていました。従業員の足元を見て妥結せざるを得ない状況に追い込むことが会社の常套手段なのです。(※「生補金」=生活補給金の略。ボーナスのイメージように恩賞ではなく、「生活するのにもともと足りない給料を補給するもの」と働く側は考えています)

この春闘の組合に対する会社の回答は、契約者の平均賃上げ額=11,847円・夏期生補金=845,000円、参考までに社員の平均賃上げ額=9,612円・夏期生補金=748,573万円でした。昨年の磯辺部長のMSを含めた勤続の長い従業員への「ベア2,000円の回答なし」については、反省もなく調整する回答もしないという不誠実さです。社長が額を決めると言われる特別褒賞金も今年は10万円で前年比マイナス5万円です。

東映本社と東映ラボ・テックで既に実施されることが決まっている4月昇給について、久保田常務・磯辺部長は、6月5日の団交で回答せず、労使間の信頼を修正する最後のチャンスを逃す結果となりました。社員の4月昇給をしないことは、東映アニメ独自の方針というのはごまかしで、社内の従業員の利益は考えず、周りの様子を見て後追いで対処する主体性のない姿勢です。しかも、来年に実施するかどうかも明言していません。同時に契約者の契約更改(=昇給時期)について、「検討する」とは言う物の何も対策を考えていなかったことが明らかになりました。

製作現場の人員補充については、ネット上で募集をかけていますが、現状で次々と辞めていく演出助手と製作進行の穴埋めもできないほど切迫しています。

組合が人員の確保につながると考え、春闘の中心的要求にしていた出来高部分の単価アップ・担当料アップについては、契約者には「今年も単価を上げない」と明言し、フリー労働者の単価アップについては「組合に答える必要はない」と回答をしています。労働環境と密接にリンクしているにも関わらず、組合の要求を無視する姿勢なのです。スケジュールの混乱と長時間労働の根本的な対策はなく、問題意識の低さが露呈しています。メンタル問題も噴出しており、このままでは、過労死さえ出かねない状況なのです。

「派遣切り」問題について、5月26日の映演労連との団交で、組合から「東京都労働局は26業務違反のみを指導したが、40条の5違反である派遣労働者の職場に直接雇用の新人を雇ったことで直接雇用の義務が生ずる」ということを改めて指摘しました。東映アニメ労務が法的な制裁がないことから、「裁判なら受けて立つ」とのトンチンカンの姿勢を示しています。しかし、組合は、裁判となれば労働局ではなく、司法の判断が求められるのであり、現在も、同様のケースで起こっている裁判も社会的影響から未だ判決に至っていないこと、また、東映アニメが世論からも注目され会社の信用に関わってくる問題であることと問いただし、高木社長に強く是正を求めました。

派遣問題について、動画労組は以前から鈴木コンテンツ事業部長出席の団体交渉を申し入れています。それにも拘らず、6月5日の団体交渉でも鈴木部長は出席しませんでした。組合は、これまで口頭で行っていた申し入れを改めて正式に文書で団体交渉を申し入れました(裏面参照)。

責任者不在、対応ミス、状況判断の見誤り、そして団交拒否、東映アニメの経営者からこんな回答しか出ない春闘でした。

皆さんは、この会社の将来に不安を持ったことはありませんか? どうするか、みんなで真剣に考えましょう。

 

2014年6月5日東映アニメーション株式会社代表取締役社長  高 木 勝 裕  殿

 映演労連 全東映労連 東映動画労働組合

執行委員長  坂 西  勝

 コンテンツ事業部責任者出席による団交申し入れ書

映演労連 全東映労連 東映動画労働組合は、5月30日に行われた全東映労連の抗議要請行動において、コンテンツ事業部の「派遣切り」問題の解決のために、責任者であり且つ当事者である鈴木部長出席の団体交渉を口頭で申し込んだ。しかし、磯辺「人事労政」部長は、この申し入れを断ってきた。

磯辺部長の勘違いから始まった派遣切り問題ではあるが、昨年12月に東京都労働局から労働者派遣法違反(40条2項違反)を指摘され、会社もこの是正勧告に従う姿勢を示し、組合員・Aさんに対し、派遣法違反のまま働かせていた事実を労使双方で確認した。

しかし、私たちは、40条2項違反をはじめとする26業務違反はもとより、派遣労働者4名が働いていたコンテンツ事業部の派遣法違反を問題視してきた。残念ながら、今回労働局は26業務違反しか指摘してこなかったが、コンプライアンスの観点からみれば、全ての違法状態の是正に努めるのが企業の責務であり、そのことで東映アニメの企業価値も高まることと思う。そのためには膿を出す覚悟が必要だと考える。今回の派遣切りの経過の中で、鈴木部長の言動が派遣労働者に対するものと、会社に対する報告が真っ向から違うことが散見される。

今回の派遣切り問題の解決にあたって、何が真実なのか? これを解決するためには、責任者であり当事者である鈴木部長出席の団体交渉を開き、真意を聞かない限り前に進めないと考える。このままでは、会社が派遣問題を隠蔽することにつながるとさえ危惧するところである。

私たち東映動画労組はあらためて、以下の内容でコンテンツ部の責任者である鈴木部長出席の団体交渉を申し込むものである。

 

議 題

1.当時コンテンツ事業部で働いていた派遣労働者の労働実態と雇止め時のいきさつについて

2.派遣労働者がかかわっていた専門業種以外(派遣法違反)の企画プロジェクトについて

3.派遣労働者4名が退職した後にコンテンツ事業部で起きた職場の混乱と労働強化について

4.コンテンツ事業部での派遣法違反の事実の確認と今後の方針について

5.その他

以 上

 

みんなの意見が反映される風通しの良い職場を作ろう!


動画労組No,13

シリーズ・東映アニメの派遣法違反

・その⑥

久保田・磯辺体制の労務政策が、若手社員の労働条件も切下げている!

東映アニメに働くみなさん、おはようございます。

派遣切り問題を中心に集中的にニュースを発行してきましたが、今月も粘り強く継続します。

今年の東映アニメの14春闘では、昨年に続きベースアップ(=ベア)の回答がありました。しかし、この回答は、昨年の2,000円のベースアップと比較すると、500円引き下げられた回答です。

東映アニメの春闘賃上げ回答は、例年、東映本社の回答をそのままなぞる形で回答されてきました。しかし、東映アニメの労務(2012年以前は総務の担当者)が、東映本社や外部企業からの受け入れにより、東映アニメの内部事情(労使関係・契約者の労働条件)が分からないまま、そのポストに就任することがここ数年続いています。その弊害からか、動画労組に対して突然の「大幅査定」の導入や「千田解雇裁判」と労使紛争が続き、昨年には「派遣切り」問題が起こったのです。以前は、労使間の「あうんの呼吸」と言える部分もあり、たとえ問題が噴出しても、その原因となる部分(社会情勢や会社の経営状況・経営体力)は、労使ともに共通の認識を持っていたものです。しかし、近年の動画労組の団体交渉は、多くが労働法の基礎的な内容や会社の間違った解釈に対する雇用関係の説明であり、過去の長年かけて協定した労使協議や経過を伝えることに労力を割かれています。

東映本社から出向でやってきた磯辺部長は、本来なら東映グループの労使問題をしっかり叩き込まれて、東映アニメに配属となったはずです。しかし、ベア2,000円を含む昨年の回答については、東映の統一東映労組に回答することが、東映の部課長まで含め全従業員に波及することも知らず、課長になる前の平社員のみに適用されるという勘違いをしました。この勘違いを元に東映アニメの賃上げ回答に置き換えたとき、課長になる前の従業員は勤続11年以下ということで、これに当てはまる人だけに2,000円のベースアップ回答を行い、勤続の長い従業員にはベア回答なしという、とんでもない賃上げが行われたのです。

「まぁ、一回くらいの賃上げのミスは大目にみてあげよう」などとお考えの方はいないでしょうか? 磯辺部長の回答は、これが象徴的なだけで住宅手当・家族手当の問題もゴロゴロと出てくるのです。本来東映本社に倣っていれば、住宅手当は現在月32,800円の支給です。しかし、社員の賃金体系など理解しない磯辺部長は、これまで東映本社の家族・住宅手当の変化をきちんととらえていませんでした。おかげで、東映本社が国の援助がある家族手当を減額したため、現在東映アニメで3,000円ほど高く住宅手当は3,000円ほど少ないという状況が生まれています。この調整するため、東映アニメも昨年から家族手当の減額を始め、住宅手当の増額をしています。

さて、今年の磯辺部長の勘違いは、「4月昇給」です。東映本社で今の労務担当者である古玉専務も自分が組合在籍時代から50年以上続く「念願」と言っていた要求が、条件付きでありますがこの春闘で回答されました。4月昇給となれば、賃上げ2ヶ月分が支給されることとその間行われた時間外はその手当が新賃金の額で支給されるメリットがあります。すでに統一東映労組は、この回答を確認し妥結に応じました。東映アニメは、組合の強い要求として受け取っているにもかかわらず、回答しようとしません。6月昇給・契約更改の社員・契約者を無視して、今日の団交でも回答しないつもりでしょうか? 「独立した会社で本社に倣う必要はない」と磯辺部長は言っていますが、好決算状況にもかかわらず、4月昇給に応じないのは労務の怠慢です。また、住宅手当は増やしても家族手当も本社に合わせて減額する必要もないのです。この回答で被害を受けるのは、若い社員が中心です。組合と磯辺部長のやり合いを傍観者的に見ていた方たち、いつの間にか磯辺ワールドに取り込まれていることをお忘れなく。そして、それを許しているのは、労務担当重役の久保田常務です。